経理担当者というと、黙々と数字を入力している姿を想像される方も多いのではないでしょうか。確かに記帳業務は経理の基本ですが、現代の経理担当者に求められる役割は大きく変化しています。単なる「数字の管理人」から「ビジネスパートナー」へと進化が求められているのです。
今回は、記帳以外で経理担当者が身につけるべき5つの重要なスキルについてご紹介します。
まず1つ目は「デジタルリテラシー」です。会計ソフトやERPシステムの進化は目覚ましく、クラウド会計の普及も進んでいます。freee、マネーフォワード、弥生会計などの操作に慣れるだけでなく、新しいツールへの適応力や、データの連携方法の理解が不可欠です。
2つ目は「分析力」です。単に数字を記録するだけでなく、その数字が意味することを理解し、経営判断に役立つ情報として提供できる能力が重要です。売上や経費の推移、利益率の変化などから、ビジネスの課題や機会を見出せる経理担当者は大きな価値を生み出します。
3つ目は「コミュニケーション能力」です。経理部門は社内の様々な部署と関わります。専門的な会計知識を持たない方にもわかりやすく説明したり、経費精算のルールを伝えたりする機会は多いものです。また、税理士や監査法人とのやり取りも重要な業務の一つです。
4つ目は「法規制の理解」です。税法や会社法、金融商品取引法など、経理に関わる法規制は複雑で頻繁に改正されます。インボイス制度の導入や電子帳簿保存法の改正など、最新の法改正にも常にアンテナを張っておく必要があります。
そして5つ目は「リスク管理能力」です。不正や誤りを未然に防ぐための内部統制の構築や、キャッシュフロー管理による資金ショートの防止など、会社を守るための視点も経理担当者には欠かせません。
これらのスキルを磨くことで、経理担当者はより戦略的なポジションへとステップアップできるでしょう。企業の意思決定を支える重要な存在として、自らの価値を高めていくことができます。記帳作業はAIやRPAの進化によって自動化される部分も増えていますが、これら5つのスキルは人間にしかできない価値ある仕事として今後も重要性を増していくでしょう。