小規模法人を経営されている方なら、「売上は順調なのに、なぜか手元にお金が残らない」という悩みを抱えた経験があるのではないでしょうか。実は、企業の存続において最も重要なのは利益ではなく、キャッシュフローなのです。今回は小規模法人がお金を残すために実践すべき7つの習慣をご紹介します。
まず第一に、日々の会計記録を徹底することです。「記録していないものは管理できない」という言葉があります。毎日の入出金を正確に記録し、どこにお金が流れているのかを把握することが基本です。会計ソフトを活用すれば、手間を大幅に削減できます。
第二に、固定費の定期的な見直しです。事務所の賃料、通信費、保険料など、毎月自動的に支払われる費用は見過ごされがちです。半年に一度は全ての固定費を洗い出し、本当に必要かどうかを検討しましょう。
第三に、適切な利益計画を立てることです。「売上−経費=利益」という考え方ではなく、「売上−利益=経費」と捉えることが重要です。つまり、最初に確保すべき利益を決め、その範囲内で経費をコントロールする習慣をつけましょう。
第四に、資金繰り表の活用です。過去の実績だけでなく、将来3ヶ月〜半年先の資金の流れを予測することで、資金ショートを防ぎます。特に事業拡大期や季節変動のある業種では欠かせません。
第五に、売掛金の回収サイクル短縮です。請求書の即時発行や入金条件の明確化、早期入金への割引制度導入など、回収サイクルを短くする工夫が必要です。
第六に、節税と節税対策の区別です。単なる経費計上による一時的な節税ではなく、中長期的な視点での税務戦略が重要です。税理士と定期的に相談し、会社の成長段階に合わせた最適な方法を選択しましょう。
最後に、経営者自身の報酬設計です。会社の利益と個人の生活を明確に区別し、適切な報酬体系を設計することが、持続可能な経営の鍵となります。
これらの習慣は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、継続的に実践することで、徐々に「お金が残る体質」の会社へと変化していくでしょう。小さな改善の積み重ねが、やがて大きな違いを生み出すのです。会計は単なる数字の記録ではなく、企業の未来を切り開くための重要なツールだということを忘れないでください。