会社の利益を改善するには、営業力の強化や新規事業の展開などが注目されがちですが、実は社内の経理事務から見えてくる改善点も多くあります。経理担当者だからこそ気づける視点で、会社の利益構造を見直してみませんか。
経理事務員は会社のお金の流れをすべて把握しています。売上の入金状況、経費の支払い、各部門の予算執行状況など、会社全体の資金の動きを日々チェックしているからこそ見えてくる無駄や改善点があるのです。
例えば、固定費の見直しは大きな効果をもたらします。事務用品や消耗品の発注を一元管理し、まとめ買いによる割引を活用することで、年間数十万円の削減も可能です。また、各種サブスクリプションサービスの利用状況を精査し、不要なものを解約するだけでも意外と大きな金額になることがあります。
仕入先との取引条件の見直しも重要です。長年同じ業者と取引していると、市場価格との乖離が生じていることがあります。複数の業者から見積もりを取り直すことで、より良い条件を引き出せる可能性があります。支払いサイトの調整も資金繰りの改善につながります。
売掛金の管理も利益改善の大きなポイントです。入金サイクルを短縮することで資金効率が高まります。請求書の発行タイミングを早めたり、請求から入金までの流れをシステム化したりすることで、滞留債権を減らし、キャッシュフローを改善できます。
経費精算のデジタル化も効果的です。紙の領収書管理からクラウド型の経費精算システムに移行することで、処理時間の短縮だけでなく、経費の傾向分析も容易になります。freeeやMFクラウド経費などのサービスを導入することで、経理担当者の工数削減と同時に、経費の可視化が進みます。
税制優遇措置の活用も見逃せません。中小企業向けの各種税制優遇や補助金制度は年々変化しています。最新情報をキャッチアップし、適用できる制度を積極的に活用することで、大きな節税効果が期待できます。
予算管理の精度向上も重要です。各部門の予算と実績を月次で比較分析し、差異の原因を明らかにすることで、早期の改善アクションにつなげられます。特に変動費については、売上との連動性を常にチェックし、効率化を図ることが必要です。
これらの取り組みは、決して大きな変革ではありません。日常の経理業務の中で少しずつ改善していくことで、着実に会社の利益体質を強化することができるのです。経理事務員の視点が、会社を救う大きな力になるのは間違いありません。